筋量増加のトレーニングには線形か波状ピリオダイゼーションか

トレーニングプランのイメージ トレーニング
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筋トレも初級者から中級者になり、停滞期に入ってきたなと感じられる皆さんにトレーニングプログラムを実践していただくようにお勧めします。

その中で線形と波状(非線形)ピリオダイゼーションのどちらが筋量増加に適しているのかを検証してみました。

ピリオダイゼーションの疑問を検証

ピリオダイゼーション
線形ピリオダイゼーションはこちらを参考に

筋トレにおける線形ピリオダイゼーションのトレーニング理論
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波状ピリオダイゼーションはこちらを参考に

波状ピリオダイゼーションのトレーニング理論
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かつて、多くのボディビルダーが実践していた線形ピリオダイゼーションですが、最近では非線形(波状)ピリオダイゼーションが主流になっています。

しかし、筋量増加効果について、この2つのピリオダイゼーションの手法を比較した研究はあまりありませんでした。我々トレーニーにとっては興味深いところです。

線形か波状か?どちらがより有効なのか検証してみたいと思います。

幸いにも、MUSCLE & FITNESS 6月号にJim Stoppaniさんの面白い記事を見つけましたのでまとめてみました。

ジム・ストッパーニ

ピリオダイゼーションを仮定してみる

ピリオダイゼーション(期分け)といわれるトレーニング手法では、使うウエイトを段階的に増やす一方、レップ数は減らす方法が用いられ、筋力とサイズ増に効果が高い事が示されています。

このピリオダイゼーションの最も一般的な形態が「線形(linear)ピリオダイゼーション」で、4週間ごとに期間を区切って、ウエイトを増やし、レップ数を減らす方法でプログラムを進めていくもので、筋力増に大きな効果をもたらすことが確証されています。

筋肥大の為のアプローチのピリオダイゼーション

これに対して「非線形(nonlinear)/または波状(undulating)ピリオダイゼーション」と呼ばれる手法は、ワークアウトごとにウエイト、レップ数を変える方法をとるもので、使うウエイトの増減にも決まったパターンはとりません。

しかし、ウイダー原則の「筋幻惑法」は「非線形ピリオダイゼーション」と同じ手法をとるものであり、この方法は筋サイズを増やす効果がより高い事を本誌は確信している。
 注、本誌のMUSCLE & FITNESS誌はウィダー氏の会社

波状ピリオダイゼーションのトレーニング理論

ピリオダイゼーションの研究

ピリオダイゼーションのグラフ

ブラジルの研究で、トレーニング経験のない男性を被験者として、12週間にわたって「線形」と「非線形」ピリオダイゼーションによるトレーニングを行わせました。

「線形」の手法をとるグループは、最初の4週間は1種目につき12〜15レップで2セット行う方法をとり、次の4週間は同じ8〜10レップで3セット、そして最後の4週間は3〜5レップで4セットを行わせた。

これに対して「非線形」グループは、レップ数とセット数の範囲は「線形」グループと同じ3種類を適用するが、ワークアウトごとにこの3つのいずれかを用いて行わせました。

ピリオダイゼーションの実験の結果

12週間後の結果によると、「非線形」グループは、上腕三頭筋のサイズに5%の増加が見られましたが、「線形」グループでは増加は認められませんでした。

また、上腕二頭筋のサイズは「非線形」グループは10%増加しましたが、「線形」グループの増加は5%に留まりました。

さらに、「非線形」グループはベンチプレスの筋力が25%以上増加しましたが、「線形」グループの増加は10%にすぎませんでした。

ピリオダイゼーションの結論

線形と非線形ピリオダイゼーション

ウエイトとレップ数を頻繁に変え、一定のパターンによらない方法で変化させる「非線形ピリオダイゼーション」の方が、4週間にわたって同じレップ数、セット数のトレーニングを継続する「線形ピリオダイゼーション」よりも効果が高い事が、この研究で認めらました。

この事は驚くことではないのです。4週間にわたって同じレップ数を維持する方法は、そのレップ範囲での筋力増には効果をあげるかもしれませんが、次の期のレップ範囲に移行すると、前の期のレップ範囲で得た効果の一部は失われてしまう可能性があるからです。

これに対して「非線形ピリオダイゼーション」ではレップ範囲を頻繁に変えるので、前回のセッションのレップ範囲の効果を失うことなく、毎回、どのレップ範囲からも効果を得ることができると考えます。

ピリオダイゼーションのアドバイス

この研究では、全身の主要筋群を1回のワークアウトで鍛える方法をとっていたので、「非線形ピリオダイゼーション」グループはワークアウトのたびにレップ数を変えています。

しかし、筋肉づくりのトレーニングを行う人の多くは、週に4〜5回のワークアウトで全身の筋群をトレーニングするスプリットを使っていることが多いので、1週のワークアウトすべてを終えてからレップ範囲を変えるようにするべきという結論も出ました。

また、上記の研究では3種類のレップ範囲しか使っていなかったが、ストッパーニ氏としては4種類以上とすることをすすめています。

例えば12〜15、9〜11、6〜8、3〜5レップといった範囲です。各ボディパートを週1回の頻度で鍛えている人はこの方法をためしてみると良いと結んでいます。

以上のようにストッパーニ氏は検証をまとめています。

やはり、私が思うにウイダー原則の「筋幻惑法」が生きている訳です。

同じ練習方法は筋肉が慣れてしまうので、ショックを与えることこそ刺激であり、これこそがトレーニングなんでしょう。

ただ、「線形ピリオダイゼーション」にもメリットはあります。初心者の場合には練習メニューをあまり深く考える必要がないことです。

私もも4月は5×5法をピリオダイゼーションで4週間やり、ベンチプレスだけですが挙上重量は10kg伸びました。(勿論、85kgが95kgになっただけでたいしたことはありませんが)

今週からは再び、ベンチだけですが4週間の「線形ピリオダイゼーション」のワークアウトを始めています。8週間後に105kgが挙ればと思っています。

筋力増加は「非線形ピリオダイゼーション」にはかないませんが、簡単な「線形ピリオダイゼーション」も初心者から中級者の方にはお勧めしたいと思います。

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