筋肉の成長を阻むミオスタチンについて知ろう

2013/08/27

ミオスタチンのレベルを下げることができれば筋肉の成長は促進されるのか

筋量を減らすミオスタチン
ウエイトトレーニングを行っている者として目的は、ずばり筋肥大だと思います。が、しかしこれが意外と難しいのです。筋肥大を促すトレーニング方法はボディビル関連の書籍に山ほど書いてありますが、その通りに行ったとしても筋肉を大きくすることは至難の技です。僕も最近はトレーニング方法もさることながら、内分泌、すなわちホルモンのコントロールが必要では無いかと思っています。もちろん、ホルモンのコントロールなど医者でもない僕が奥がましいのですが、筋肥大を促すテストステロン(男性ホルモン)、インスリン様成長因子等の同化ホルモンは分泌を促し、筋肥大を妨げるコーチソル等の異化ホルモンはできるだけ分泌をさせないことが大事だと思っています。今回、取り上げるミオスタチンは筋肉の成長を妨げる最も強力なタンパク質なのです。以前の記事の「限りない誘惑のドーピングについて調べてみました」のところで遺伝子操作によるドーピングで書きましたが、遺伝子情報によってつくられるこのタンパク質は、人によって体内生成のレベルが異なります。簡単に言うと、血中のミオスタチンレベルが高いほど、筋肉は分解が進み、小さくなります。生成レベルの違いこそあれ、トレーニングを熱心に行い、食事もバランスよく摂っていても、筋肉を増やしていくのは難しくなります。ひょっとしたら、努力に見合う成果が得られないのは、このことが理由になっている可能性もあるかも知れません。逆にミオスタチンレベルが低いと、筋肉は簡単に増えていきます。今回はこの聞き慣れないミオスタチンについてMUSCLE & FITNESSの2013年9月号にDr.カーロン•コルカーさんの記事があったので紹介してまとめてみます。英語版ですがDr.カーロン•コルカーさんのミオスタチンをブロックするサプリの紹介のコメントを見つけました。

[youtube]https://www.youtube.com/watch?v=xsWUcseSkEg[/youtube]

 

サイエンスフィクションと言われても後に本当の科学になる可能性もある

ミオスタチンをブロックする
意味深なタイトルですが、先のyoutubeにあるようにミオスタチンをブロックするサプリをDr.コールカーさんは開発したようですが2004年に米独の研究チームが手足の筋肉が以上に発達した新生児をその5年前に発見したところから、この研究が始まります。その男児は通常の2倍の筋肉を持ち、5歳現在、3kgのダンベルを軽々と持ち上げるといいます。男児は元陸上選手の母親から生まれ、遺伝子を詳しく調べるとタンパク質ミオスタチンの突然変異があり、その変異は母だけでなく父からも受け継いでいるといいます。

Myo-t12 8
これを契機にミオスタチンの研究が始まり、筋ジストロフィー患者の治療法として2008年に「MYO-029」という新薬が開発されました。しかし、その副作用も懸念されています。それは「アキレス腱」などの腱(骨格筋を骨に結びつける組織)がもろくなり、けがをしやすくなる恐れもあるということでした。それと、臨床実験の結果で安全性には問題のないものの、一部の患者の筋量の増加がみられた以外に、全体では筋力と運動機能の改善効果が証明されず、開発を進めていたワイス社は、抗ミオスタチン抗体「MYO-029」の開発を中止しました。とあるようにその後、抗ミオスタチン抗体の開発は筋ジストロフィー患者のためにどこかの製薬会社が研究をしていると思われますがDr.コルカーさんのサプリは有精卵黄の働きに注目しミオスタチンのレベルを下げるというものです。アメリカで発売されています。ただ、Dr.コルカーさんはサプリメントに頼らなくてもこのミオスタチンの発現を自然な方法で抑える手だても解説してくれています。

 

自然な方法でミオスタチンレベルを下げる方法

  • 強度の高いウエイトトレーニングを行う
  • 計画的に「断食」を取り入れる
  • 身体を脱酸性化する
  • 有精卵黄を摂る

このように4点がポイントになると強調されています。付け加えてみます。

 

強度の高いウエイトトレーニングを行う

強度の高いトレーニングウエイトトレーニングには、ミオスタチンの働きを抑える効果があります。ただし、そのカギとなるのはトレーニング強度です。この点に関してベストな研究結果があります。

健康な男性被験者20人(18〜45歳)にウエイトトレーニングによる筋力、筋サイズ増におけるミオスタチンとIGF(インスリン様成長因子)−1の変化を調べました。

10週間にわたって強度の高いウエイトトレーニングを行わせ、腕の筋力(バイセップスカール)、筋量の増加(上腕横断面を測定)、IGF-1、血清中のミオスタチン量が測定されました。

その結果、筋力は30%増、筋量は横断面積で12%増と、この2つには明らかな増加が認められました。が、IGF-1には変化はありませんでした。しかし、ミオスタチンのレベルは、10週間で平均して20.3%減少しました。

この結果は非常に有力でこれに先だって行われた、筋肉の損失に関する研究結果とともに符号するものでした。この先行研究は25日間の実験で、血漿中のミオスタチンレベルが12%増加しただけで、骨格筋の筋量がほぼ2kg減少したことが認められました。この2つの実験の違いはトレーニング強度でした。これらの結果から考えられるのは、ウエイトトレーニングはミオスタチンの発現を低下させる可能性があるが、その効果を得るための最大のカギがトレーニングの強度だということです。

ただし、詳しい実験詳細は解らないので、トレーニング強度という点が10週の間、挙上重量を上げていったのか、1RMに近い重量のトレーニングなのか、また中程度の重さでインターバルを極端に短くしたのかはわかりません。僕もこの点は調べてみたいです。

 

計画的に「断食」を取り入れる

正しい食事を規則的に、継続的に摂ることは、単調であるが、素晴らしい身体を作るために効果が実証されている。異化作用(筋肉の分解)を抑えるためには、規則正しい食事は重要です。だがここにも、ミオスタチン発現の危険性は潜んでいるのです。

研究では、ミオスタチンの遺伝子の発現と摂取エネルギー制限には確実に関連があることが示されています。しかし、このメカニズムがどうであれ、筋肉作りの一般的な指針に一時的に背き、短期間だけ食べ物を摂らない方法をとることが、大きな効果を生みます。1日だけ食事を絶つことによって、代謝にプラスの効果をもたらすことができるのです。

Dr.コルカーさんはこれを「計画的断食」と呼んでいます。完全な断食を行うものでは無いからです。この「断食」でカギとなるのは、朝食を早めに、十分に摂ることです。プロテインや牛乳、オート麦などを食べ、その後は、食物は全く摂りません。ただし、水は、1日を通してたっぷりと飲んでもかまいません。

この「断食」を、年に少なくとも2回は行います。そうすると、まるで魔法のように身体が浄化され、代謝がリセットされます。そしてミオスタチン遺伝子の発現も抑えられると博士は考えておられます。

 

身体を脱酸性化する

動物実験では、ミオスタチンは酸性(pHが低い)の状態で活性化することが確認されています。身体が酸性にになった「全身性のミオスタチン過剰発現」状態は、筋肉の重度の消耗を引き起こすことが認められています。人間でいえば、カヘキシー(cachexia/悪液質:病的な全身の衰弱状態)に相当する症状です。靭帯のpHは食べるものによって影響されるという説は議論を呼んでいますが、この見解を信じるとすれば、食事によるpHの調節も、ミオスタチンの遺伝子の発現を阻止するための自然な方法となります。

この説にしたがうと、「体を酸性にする食べ物」を摂ると、消化•代謝の過程で酸が生成されます。「体を酸性にする」といわれている食べ物は多数あり、程度はそれぞれ違いますが、最も強力とされているのが白砂糖、菓子類、精製された食品、保存料、コーヒー、ココア、お茶、ワインといったものです。

これに対して、「体をアルカリ性にする食べ物」といわれているものもあります。野菜(レタス、ほうれん草、エンドウ豆、カリフラワー、セロリ、人参、トマトなど)、メロン(特にスイカ、)、ナッツ(アーモンド、栗)といったものです。

ただし、強調しておきますが、アルカリ性食品を摂ることが血液のpH上昇を確かに引き出すことは認められていません。しかし、食事が体内のpHに影響を及ぼさないと言い切ることもできません。個人的に「アルカリ性食品」を食べているときの方が体調がいいですし、力も発揮できます。Dr.コルカーさんも含め指導するアスリート達は、体が非常に酸性度の高い状態になりがちだと感じています。トレーニングや競技で、血中の乳酸レベルが常に高い状態におかれる上に、回復を促すためにプロテインを定期的に大量に摂っているからです。こうしたことから、この説がたとえ医学的には否定はされていても、博士のなかでは信じたいという思いが、頭の片隅で湧いてくるのかもしれません。しかし、再度強調しておきますが、この方法は科学的見解ではなく、むしろサイエンスフィクションに近いアプローチです。現在サイエンスフィクションといわれていることが、のちに本当の科学になる可能性があります。そういう例はこれまでにいくつもあると博士は言っています。

 

有精卵黄を摂る

MYO-Xの成分の有精卵黄
ミオスタチンの働きを阻止する天然物質が、店頭で買うことができる鶏の有精卵に相当量含まれていることが2006年の研究で明らかにされています。つまり、日常的な食べ物から、ミオスタチンの働きを阻止する強力な天然物質を摂取できると認められたのです。有精卵はオーガニック食品を扱う店で販売されています。基本的に有精卵はヒナがかえる卵であり、100%天然だが、米農務省は一般的に売られている卵(無精卵)よりも良いとは言っていません。しかし、有精卵と無精卵の違いは、その約2万個の細胞にあり、これらの細胞には「フォリスタチン(Follistatin)」というタンパク質が、生物学的活性を持つその他の多数の共因子とともに、卵細胞に存在しています。これらの因子が卵黄膜から卵黄内へと分泌され、胚の初期段階の発達が促進され、成長が促されます。

 

この有精卵黄の成分を製品化したのがMYO-X

MYO-Xのサプリメントミオスタチン阻害サプリメントとして、難しかった有精卵黄を生物学的活性を保ちながら含有量を高め、作用を安定化させた製品がMYO-Xです。その後の研究でも、この有精卵黄を乾燥•アイソレートした製品は、人体に吸収されて活性を示すだけでなく、被験者の血清ミオスタチンレベルを約12時間にわたって平均46%低下させたことが示されています。結論として、ミオスタチンの体内レベルに自然な方法で影響を与えることは確かなようです。しかし、このことが本当に凄いのは単に筋肉作りの成果だけでなく、重度のケガや消耗性の疾患から回復を促進するカギとなる可能性もあることです。それはミオスタチンのレベルは加齢や加齢に伴う身体状況の低下(筋肉が失われ、体脂肪が増える)に伴っても上昇します。さらに恐ろしいのはミオスタチンはさまざまな病気の発症にも影響を及ぼします。消耗性疾患だけでなく、HIV感染や心臓発作、筋ジストロフィー、癌、敗血症など多岐にわたります。つまり、もしミオスタチンのレベルが抑えられれば加齢現象の進行を遅らせることができる安全な方法のカギになります。まさしくアンチエイジングなのです。

MYO-Xこのサプリはアメリカで買えるので機会があれば買ってみたいと思います。その前に有精卵を食べてみることにしましょうか!

今後、このミオスタチンに関する研究が進むことが人類の幸せになり、また我々高齢者のサルコペニア(筋萎縮)防止になります。期待しましょう。