グルコサミン・コンドロイチンは関節痛の緩和・予防をするのか?

グルコサミンのサプリ サプリメント
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誰でも知っているグルコサミンとコンドロイチンですが

肘関節の痛み
グルコサミンとコンドロイチン。この名前はテレビを見ている方ならCMで嫌というほど聞いている言葉だと思います。CMだけ見ているとまるでお年寄りの薬のように思われがちですが、ウエイトトレーニングをする者に取っては関節の保護(ジョイントケア)として、非常に重要になってきます。健康な関節を維持するにはビタミンCやE、さらに複数のミネラルが必要です。そしてグルコサミンとコンドロイチンは関節のためのサプリメントの代表格です。だが、意外と知られていないのがグルコサミンの種類です。代表的なものがグルコサミン塩酸塩とグルコサミン硫酸塩なのです。今回はグルコサミンとコンドロイチンを取り上げてみました。

以前に「トレーニングによって起こる関節痛は諦めるしかないのか?」という記事を書きましたが、今回はその続編としてIRONMAN2013/7月号に緩和・予防するサプリメントの記事が有りましたのでまとめてみました。

グルコサミンはエビやカニなどの甲殻類から抽出される成分で、アミノ酸のグルタミンがブドウ糖(グルコース)と結合した物質です。グルコサミンがなぜ関節に良いかと言うのは関節構成因子のグリコサミノグリカンやプロテオグリカンはグルコサミンが無ければ作り出せません。

コンドロイチンはサメの軟骨や牛の気管などから抽出される成分で主に関節の軟骨部に作用しています。つまり、関節には、水分を蓄えるスポンジの様な軟骨があり、コンドロイチンが十分にあるとスポンジの中に水分を蓄えることができ、それがクッションの役目を果たしてくれます。

関節痛を鎮静するために医者に行けば、その為の治療薬を処方されるわけですが、これらのサプリメントはその部位を構成する材料を供給することになります。それによって欠損した材料が身体に供給され、欠損しているために発する傷みが緩和するというプロセスになるわけです。また、コンドロイチンは供給と同時に関節の再構築過程を邪魔する酵素を遮断したりすることで、関節が健康な姿に戻るまでの時間を稼いでくれる物質でもあります。

 

傷みを抑制する効果のグルコサミン

グルコサミン

関節を保護するグルコサミンですが、すでに傷みが発症している場合、その傷みを緩和する働きもあります。これはグルコサミンがCOX-2酵素を遮断するからです。COX-2は傷みを作るプロスタグランジンを活性化するからです。関節炎の傷みを鎮静させる薬には心肺機能に副作用をもたらすものもあり、副作用の危険性がないグルコサミンとは大きくことなります。

ただ、グルコサミンについてはその効果に疑問を投げかける論議も行われています。たとえば最近の実験では、グルコサミンが持つ作用は関節痛の治療目的としては極めて弱いという結果が得られています。特に傷みの程度がさほどひどくない患者の場合は、グルコサミンによって傷みが完全に消えるほどの効果は得られませんでした。また、コンドロイチンと組み合わせた場合でも、重度の傷みには効果を発揮しましたが、弱い痛みにはさほどの効果は確認出来ませんでした。

もう1つ、グルコサミンについて否定的な意見としては、この成分がインスリンの耐性を高めるのではないかとという推測があり、これはグルコースの代謝に関わるヘキソサミンにグルコサミンが作用するためといわれています。ただ、グルコサミンの関節への作用を否定する実験の多くが、抽出された細胞を試験管に入れて、その反応を観察したり、あるいは実験用動物に大量のグルコサミンを点滴して結果が導かれており、実験結果を現実に反映させることは難しいと思います。むしろ、人を被験者にして、現実的にあり得る量のグルコサミンやコンドロイチンを摂取する実験の方が私たちには参考になります。そして、その様な実験ではグルコサミンがインスリンの耐性を高めるなどの副作用は確認されていません。つまり、グルコサミンの摂取についての否定的な意見は懸念するほどのものではないと言えます。

関節の痛み最近行われた実験を紹介します。この実験には106人のアスリートが被験者として参加し、いずれの被験者も、膝に問題を抱えています。被験者は2つの群に分けられ、グループ1には1500mgのグルコサミンを、グループ2にはプラシーボを摂取してもらいました。(1500mgのグルコサミンは通常の摂取量です。)そして28日間にわたり実験は続けられました。最終的にグループ1の被験者はグループ2の被験者より遥かに膝の痛みが緩和されました。その証拠に、痛みなく膝を屈曲、伸展することができる角度が実験前より顕著に増加しました。

 

続いてグルコサミンの種類について書いてみます。これは意外と知らないのではないでしょうか?

 

グルコサミンの塩酸塩と硫酸塩タイプのどちらが良いか?

グルコサミンにはさまざまな種類があります。代表的なものはグルコサミン塩酸塩やグルコサミン硫酸塩です。この2つのどちらがより高い効果を発揮するのかの実験は数多く行われています。ほぼ同じとする意見もありますが、多くの実験では硫酸塩タイプの方が優れていると言う実験結果が多いようです。

たとえば、最近では馬を用いた実験で、(馬とグルコサミンの相性は非常に良く、特にケガをした競走馬には良くグルコサミンが投与されている。)2つのタイプのグルコサミンを与えられた馬を調べてみました。

その結果、経口で与えられた硫酸塩タイプは全体の9.4%が馬の体内で吸収されたのに対し、塩酸塩タイプは全体の6.1%に留まりました。また、それ以上に重要なこととして、滑液の中に取り込まれた硫酸塩タイプは、塩酸塩タイプのものより遥かに量が多く、その濃度も上昇してから12時間も維持されていました。

このことからグルコサミンは経口による摂取でも、硫酸塩タイプを用いることで、より高濃度のグルコサミンを関節に送り込むことができることが解りました。

 

コンドロイチンについての賛否両論

コンドロイチンの分子構造グルコサミンに否定的意見があるように、コンドロイチンにも賛否両論があります。否定する意見としては、コンドロイチン硫酸塩は分子構造が大きいため、関節に吸収される可能性は極めて低いという意見です。その一方でコンドロイチンを摂取した人は関節痛が著しく緩和されたという報告もあります。さらにコンドロイチン硫酸塩のサプリメントを摂取するようになってから、関節炎の傷みを緩和する処方箋の投与量を減らすことができたという結果も有ります。

コンドロイチン硫酸塩の作用を調べる研究は今も多く行われており、最近では新たなメカニズムが発見されたようです。これは、コンドロイチン硫酸塩が軟骨を構成する細胞のコンドロサイトの移動を阻止するというものです。傷みが起きている関節はダメージを受けて損傷しているわけですが、このような関節ではコンドロサイトが移動してしまい、損傷の治療が難しくなります。しかし。コンドロイチン硫酸塩を利用することで、コンドロサイトが勝手に移動してしまうことが抑制され、その結果、欠損部の治療が継続して行われると推測されています。

ただし、コンドロイチン硫酸塩は経口で摂取すると、体内に吸収される量は全体のわずか15〜24%です。つまり、吸収効率が悪い物質であることは間違いない事実です。それでもわずかに吸収されたコンドロイチン硫酸塩は、その大半が関節に取り込まれ、関節を保護する目的として十分に役割を果たすと考えられます。

このように諸説があるもののグルコサミンとコンドロイチンは関節には有意義だと言うことです。ウエイトトレーニングでガンガン高重量を扱っているトレーニーの方も、僕のように高齢のトレーニーも傷みがなくてもこのサプリをジョイントのケアに摂取することをお勧めします。そして、傷みが出だしたらトレーニングを一時休みましょう。その勇気がトレーニングを長続きさせる秘訣です。ぼくも右肘の傷みが出だした6月から、ほぼ2ヶ月、上腕二頭筋のトレーニングは10kgのダンベルで2週間に1回ほどです。バーベルカールは一度もやっていませんが、萎縮はしてい無いようです。毎日、飲んでいるグルコサミンとコンドロイチンのおかげで、最近は傷みもぐっと和らいできました。最後にアリゾナ州立大学の資料の摂取量の目安です。

1日のグルコサミンとコンドロイチンの摂取量の目安

グルコサミンとコンドロイチンの摂取

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コメント

  1. jack3d14 より:

    非常に有益な記事!私は自分の関節の痛みを支援してきましたアニマルフレックスと呼ばれるこのサプリメントを撮影してきた。これは、オンライン偉大なレビューを持っている!
    http://www.samedaysupplements.com/blog/universal-nutrition-animal-flex-joint-supplement-review.html

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