骨格筋収縮の滑り説と筋肥大を促す2つのメカニズム

ウエイトトレーニングで筋肥大を促す 筋肉
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人間の体重の約40%は骨格筋で覆われています。見た目だけでなく、生きていく上で重要です。筋肉が大きくなるメカニズムを生理学・解剖学をもとにまとめてみました。

まず筋肉には「骨格筋」「心筋」「平滑筋ー内臓や血管をおおう筋肉」の3種類に区分されます。
今回は筋肥大する骨格筋を対象に説明し、その肥大のメカニズム2つを解説します。

骨格筋の筋収縮の滑り説とは

筋肉は筋繊維という細い繊維が束(筋束)になっています。筋繊維には一つ一つ細胞があり、筋肉は多くの細胞が集合した一つの物体です。

筋繊維をもう少し細分化すると、筋原繊維と呼ばれる小さな繊維が存在します。この筋原繊維が筋肉を収縮させるのに大きく関与します。

筋原繊維はミオシン(太い筋繊維)とアクチン(細い筋繊維)が重なりあっています。この二つの筋繊維が重なりあうことで筋収縮が起きます。この働きを滑り説と呼ばれます。

滑り説 - Wikipedia

筋肥大を促す2つの作用

筋肉を大きく2種類に分けてみます。

筋肉には速く・強い動きに大切な「速筋繊維」、姿勢保持や持久的な動きに必要な「遅筋繊維」の2種類に区分されます。

黒人など海外の人種は速筋繊維の占める割合が多く、筋骨隆々な見た目や力強く俊敏性を持つ人が多いです。

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日本人などアジア圏は遺伝子的に速筋繊維の割合が少ないとも言われています。

筋肉をつけて、かっこいい身体になる為には速筋繊維を大きくさせる必要があります。その為に知っておくべき筋肥大の基礎知識を簡単にまとめました。

まず、筋肥大の主要な要因として「アクチン」や「ミオシン」などをたくさん合成されて筋繊維を大きくさせることが重要です。

「アクチン」「ミオシン」の収縮運動を繰り返すことで、細胞の中にある遺伝子情報「DNA」を基にリボゾームがタンパク質を合成します。リボゾームがタンパク質を合成することで筋繊維が肥大するというメカニズムです。

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もう一つが、サテライト細胞の活性化です。サテライト細胞とは未分化細胞と呼ばれる細胞で、刺激などにより筋繊維と融合して筋細胞を増やす効果があると言われています。

昔は筋細胞は増加しないと言われていましたが、サテライト細胞の存在が認められたので筋細胞を増やすことができると言われるようになりました。

ウエイトトレーニングが筋肥大を促す理由

サテライト細胞を増やすにもウエイトトレーニングが重要です。

ウエイトトレーニングは①リボゾームの活性によりタンパク合成を促進して筋繊維を肥大させる側面と、②サテライト細胞を活性化させて筋細胞を増やす効果がみられます。

後は筋肥大をして身体を大きく、強くさせるためには「速筋繊維」にできるだけ強い刺激を与える必要があります。
速筋繊維に刺激を与えるためには、爆発的なパワーやある程度重たい重量を扱う必要があります。その為、トレーニングでは重い重量を意識することが必須です。

重たい刺激で複数回のアクチンとミオシンの収縮運動を狙うには8〜10回ぐらいの重さが筋肥大には有益です。

一般的に1〜3RMパワー系、8〜12RM筋肥大、15〜20RM筋持久力に最適なトレーニングと言われているのは上記の内容から読み取れます。

個人的に初心者の方は10〜12RM程が良いと思っています。このぐらいの重さが刺激と筋肉の意識をコントロールするのに最適だからです。

ですが、高重量ばかりのトレーニングでは関節に負担が強く怪我のリスクが上がります。集中力を高めて、毎回のトレーニングを限界まで追い込むのは至難です。

そこで、ボディビル系のトレーニングでは軽負荷・高回数で筋肉に刺激を効かすトレーニングをよく取り入れます。

軽負荷でも筋肉の収縮が抜かずにこなすことで、刺激している筋肉の空間が低酸素状態になります。遅筋繊維は酸素を多く必要となるため、速筋繊維の活動が増加します。

軽負荷のため関節の負担が少なく、限界まで刺激を与えることができます。

教科書的には高重量を与えて筋肉を強くする負荷を「物理的刺激」、後で述べた、軽負荷だけれど低酸素状態を作り効かす負荷を「化学的刺激」と呼びます。

この二つの刺激を疲労やトレーニングルーティンに上手く組み合わしていくことが大事になります。

今回は筋肥大のメカニズムを簡単にまとめてみました。細胞単位のマクロな知識を知ることでトレーニングの負荷設定の重要性を理解できます。

体づくりには個別性が大きいので、基礎知識を固めて自分自身の最適なトレーニングを考えましょう

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