ウォーターローディングとは体重制限のあるスポーツに必須の減量テクニック

水抜き減量前のウォーターローディングをしたボクサー 身体
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格闘技やボディビルなど体重制限のある競技において体内の水分を一時的に抜く「水抜き」という技法が多く用いられています。水抜きを効率良く行なうためにはウォーターローディングと呼ぶ前準備がオススメされています。今回はウォーターローディングについてまとめていきたいと思います。

ウォーターローディングとは

マラソンランナーがよく使うテクニックのウォーターローディング

ウォーターローディングとはスポーツの世界で多様される減量前の水分補給方法の一つです。試合前の一定期間、毎日1〜1.5ℓの水を少しずつ摂取することで、体を常に水で満たしておきます。

すると、試合中、発汗により水分を失っても、運動能力の低下を防ぐことができるという効果があります。

マラソンランナーがよく行います。なぜかと言うと運動中の発汗には身体に大事なミネラル群が含まれていて、それらが汗と一緒に出てしまいます。日本でよく売られている軟水の水では電解質のバランスが悪く吸収率が低くなりますので、ミネラルが豊富に含まれる硬水を活用するのがオススメです。

参考文献
「水の健康学」(新潮社)著者:藤田紘一郎

ウォーターローディング法には、硬度300くらいの硬水がお勧めです。

格闘技のダイエット時にどのように活用するのか

格闘技の計量の最終手段として水抜き(体内から水分を抜いて体重を一時的に落とす方法)を活用します。人の身体は基本的に男性が約55〜65%・女性が約45〜60%が水分で占めています。

身体の水分が減るとどうなるかを表にしています。たった20%以上無くすと死に至ると言うことです。

水分減少率

  • 2%→のどの渇き
  • 3%→強い渇き、ぼんやりする、食欲不振
  • 4%→皮膚の紅潮、イライラする、体温上昇、疲労困憊、尿量の減少と濃縮
  • 5%→頭痛、熱にうだる感じ
  • 8〜10%→身体動揺、痙攣
  • 20%以上→無尿、死亡

提供;森本武利・中野昭一編「スポーツ医科学」第2章 体液・血液の働き,40頁,1999

基本的には、契約体重の5%ほどが疲労感が少なくお勧めです。私の場合ですと73kg契約だったので約3,5kgほどです。

海外の格闘家の中では10%以上の水抜きをする選手もチラホラいますが心臓の負担が大きく命にかかわるのでお勧めはできません。

水抜きを効率良くするのに有益な方法として前記のウォーターローディング法が活用できます。

人体は体内の水分量が多ければ排出率を促進して、少なければ吸収能力が促進されます。成人であれば約50〜60%の量で均一に保たれるようになっています。

この仕組みは、ダイエット時でも良く取り上げられる「ホメオスタシス(恒常性)」が関係していて、常に身体の状態を一定に保とうと働きます

この働きを利用して、計量前日or当日まで大量の水分摂取を心がけて排出機能を促進させます。それにより、水抜きを開始した際には水分の排出機能が一時的に高い状態になっており短い時間で効率的に水分を排出することができます

人体にとって水分が抜けた状態が長く続くと身体にとってはかなり悪い状態です。ウォーターローディング法は水分が抜けた状態が短い期間で調整できるので身体の負担が軽減できます。水分が抜けただけなので、筋肉量も保持ができ当日のパフォーマンスを高めることができるテクニックです。

硬水のミネラルウォーターのイメージ写真

実際に取り組む際の簡単なプログラムをまとめてみました。

まずは、吸収率を高めるために硬水を利用します。私はevianがコスパ的にも内容的にも良かったので活用しました(KHOUYOで1,5ℓが約180円ぐらいです)ちなみに、日本の水は基本的に軟水です。軟水と硬水ってどう違うの?と思っている方もいるかと思います。少し内容をまとめてみたので参考にしてみてください。

軟水と硬水について

軟水と硬水の説明をするのに ”硬度”が大事になります。
水は主にカルシウムイオンとマグネシウムイオンが含まれていて、水1000ml中に溶けているカルシウムとマグネシウムの量を表した数値を「硬度」と言います。

硬度が120mg/l以下を「軟水」、120mg/l以上を「硬水」と区別します。

硬水はミネラル群が多い為に水分補給にはもってこいですが普段軟水ばかりの日本人ではミネラル過多などによりお腹が壊す人が時々います。参考までに!

ウォーターローディングの適量とは

ウォーターローディング中の男性

ではウォーターローディングをするには実際にどれだけの量を飲めば良いのか? 解説します。

大前提として普段から水分の摂取量は多めに取ります。体重や性別にもよりますが女性で1ℓ〜2ℓ・男性で3〜5ℓは摂取しておきたいです。そして計量の1週間まえぐらいから水分量を増やします。

格闘技系の運動では発汗の量はかなり多いはずです。私は、1日に8〜 10ℓの水を飲むようにしました。この際には塩分量も多めに取ります。最低でも1日12g以上は取るようにしました。

間違ったウォーターローディングで、水を大量に摂取するけども塩分をかなり控える人がいます。この方法は身体にとって危険です。水中毒という状態におちいる可能性が高くなり、疲労感・めまいなどが起きます。

そのため、水抜きをするまでは塩分をしっかりと摂取しておいてください。

計量前日まで水分と塩分の摂取量を多く取り、前日または当日から水抜きの準備を始めます。

上手く身体が水の排出が高い状態を作って入れたならば計量の数時間前から水抜きをおこなうことで大量の体重を落とすことができます。水抜きされている時間が短い為に身体的・精神的な負担が軽減されます。

私の場合は 3kgの水抜きだったので前日の昼から塩分の量を少し抑えました。水は普通の量をのんでいます。

計量の当日の朝からは水の摂取を控えて半身浴・サウナスーツを着込んでのランニングを行い3時間ほどで3kg落としました。正直、全然余裕だったので辛くなかったです。

計量のあるスポーツの方や、当日にできるだけ浮腫をなくしたい。身体をドライな状態にしたいと思っている方などはただ単に水分の摂取を抑えるだけでなく、「ホメオスタシス」を活用して身体の水分排出機能を高い状態で水抜きしてみてください。
思ったよりか楽に体重が落ちて、見た目が一時的にですがすっきりします。

根本的な脂肪燃焼とは違うので気をつけて下さい。

以上で水抜き減量のテクニックとしての事前のウォーターローディングについて書いてみました。

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