筋トレにおける線形ピリオダイゼーションのトレーニング理論

ピリオダイゼーションのイメージ トレーニング
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ピリオダイゼーションとは期分けと呼ばれるトレーニングのプログラムをデザインすることです。スポーツ競技全般で使われていますが、ウエイトトレーニングの分野でも使えますので学んでみましょう。

これを学ぶことによって年々、バルクアップする身体をあなたは手に入れることが可能になります。

ピリオダイゼーション(Periodization)の考え方

ピリオダイゼーションはトレーニングを組み立てる時に、まず目標を決めてその目標達成までのトレーニング時期(期間)を決めて中・長期のプログラムを作る上での考え方です。

例えばウエイトトレーニングの目的がボディビルやフィジークの大会であるならば、目標日は大会当日です。

もちろん、目標は筋肥大(バルクアップ)だとすると、毎日ジムでの筋トレになります。1年前からスタートをするにしても同じトレーニングではマンネリ化し、停滞期も必ず訪れるでしょう。

そこでピリオダイゼーション(期分け)を使ってその期間ごとに目標を明確にして長期間のマンネリ化を防ぎ、モチベーションを上げることも可能となります。

筋肥大を効果的に達成しようとするなら筋肉に刺激を与え続けることになります。刺激は使用する重量やインターバル時間、セット数、レップ数にトレーニング頻度等、色々な要因(変数)によって決まります。

長期の間、続けば良いのですが人間の身体はそうはうまくはいきません。先にも書いたようにマンネリ化、プラート(停滞)だけでなくオーバートレーニングから怪我のリスクも増大します。

これらの障害を乗り越えて目標を達成するにはトレーニングのプログラムデザインが重要になります。

そこで考えられたのがピリオダイゼーションの理論です。

目標までの期間を分割してトレーニングに変化を持たせるということです。

ただし、筋力の向上と筋肥大は似ているようでアプローチは違うものと私は考えます。しかし、筋力が向上すればより重いウエイトでの筋肉への刺激は高まり、レップ数も同じ重さでは増えて緊張時間も増大します。

つまり筋肥大へのアプローチは筋力増強から始まるサイクルも必要ということです。また部位によっても筋肥大へのアプローチは違ったものになります。

それと筋力増強のための筋トレは長期に渡って続けると関節や靭帯や腱への影響もあります。特に中高年の方は要注意です。

それゆえ、ピリオダイゼーションを学び、トレーニングに取り入れる事をお勧めします。ただし、目標は明確にしてください。大会に出るとかでは無く、具体的に1年後に二頭筋をバルクアップしたいとか大胸筋をインプルーブしたい等の見た目でも構いません。

そこで今回は一番簡単な古典的な線形ピリオダイゼーションから説明します。

線形ピリオダイゼーションの方法

線形ピリオダイゼーションとは最もわかりやすいトレーニングシステムの一つで、最大の特徴はそのシンプルさです。

筋肥大(筋サイズの増加)を目的としたトレーニングを4〜5週間続けたら、次の4週間はは筋力強化を目的とし、さらに最大筋力の強化を目的に4週間トレーニングする。

そしてその次がピーキングの段階で、すべてのエクスサイズで新たな1RM(1レップだけ上げられる最大重量)を設定する。

各期とも、使用する重量を徐々に増やし、トレーニング量を減らしていく(10〜15レップから始め、1レップまで減らす)。

理論的にはこの1サイクル終了の時点で新たな1RMが決まる事になります。

このシステムはエド・コーンやビル・カズマイヤーが使っていたことで知られています。

コーンは史上最高のパワーリフターの一人であり、カズマイヤーは伝説のストロングマンです。(古すぎて知らない方にはごめんなさい。)

エド・コーン

だが、こうした往年の名選手が、今現役で競技しているとしたら、同じプログラムでトレーニングするでしょうか?多くの専門家の目から見ると、線形ピリオダイゼーションの固定したパターンは大きなマイナスになると言います。

筋肥大期からプログラムが始まるが、初心者にはこれは無理です。筋サイズをつける前に基礎的な筋力を作る必要があるわけです。

そしてプログラムを続けていると、始めたばかりの頃の様な効果が最後まで続けて得られるとは限りません。

筋肥大を目的としたトレーニングをまず行いますが、その後の8〜12週間はそうした目的のトレーニングは行わない。こうした事から、これは中級レベルの人に適したものだと言えます。

形の決まったこのシステムは、多くの中級レベルの人の目的を絞ったトレーニングに役に立ちます。

線形ピリオダイゼーションの分析

対象:中級者

長所:シンプルで、計画通りに実施しやすい。

短所:柔軟性がなく、一度に一つの要素にしか働きかけられない。

線形ピリオダイゼーションの使い方

このシステム特有の限界がありますが、短期間(12週間程度)であればかなりの成果につながります。この期間であれば筋肥大以外の目的でトレーニングする期間が長くないので、サイズが落ちる事はありません。

線形ピリオダイゼーションのガイドライン

筋肥大期:2〜5週間

各エクスサイズを8〜12レップの範囲で3〜5セット行う。

筋力強化期:4〜6週間

各エクスサイズを6〜8レップの範囲で行う。

最大筋力強化期:3〜4週間

各エクスサイズを3〜4レップの範囲で3〜4セット行う。

ピーキング期:2週間

各エクスサイズを1〜3レップの範囲で行う。

線形ピリオダイゼーションのまとめ

いかがでしたか、ご理解いただけたでしょうか。筋トレも期分け(ピリオダイゼーション)をすることによってトレーニングの目的が明確になります。

特に線形の場合は初心者や中級者にわかりやすく向いています。半年から1年計画で失敗を恐れずに挑戦してください。

効果は筋力も筋量もつきます。僕も毎年、トレーニングメニューを大きく1年単位で決めています。

最後になりましたが、競技に関係のない人はピーキング期は外しても良いと思います。その代わりに2週間程休んで軽くトレーニングしてください。

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