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トレーニングに大切な食事

20152/4

筋トレに大事な栄養学を竹並恵里先生に学んでみる

筋肥大にだけ特化した栄養だけでは未来が無いのでは!

今回は僕の1番の愛読書である『トレーニングマガジン』で毎回連載されていた管理栄養士、健康運動指導士、東京大学大学院総合文化研究科 身体運動科学研究室博士課程在籍の竹並恵里先生が長きに渡り連載されていた「筋肉男子の栄養学」全12回のまとめが最新号に掲載されていたので紹介してまとめてみたいと思います。日頃、鳥の胸肉、ブロッコリー、プロテインばかりのトレーニー皆さんも大変参考になると思います。

野菜は筋肉の足しにならないのか?

野菜はタンパク質含量は平均1.5%と低いので食べても無駄だと思われている方もおられますが、栄養分をサプリだけに頼るのはいかがなものでしょうか!こう書かれています。

  • 野菜は、ビタミンK、A、C、葉酸、カリウム、食物繊維の主要な供給源。
  • 低脂質で低カロリーの野菜で食事をかさ増しすれば、過剰摂取を防ぐ事ができ、肥満や生活習慣病の予防・改善に。減量をストレスなく成功させるには必須。
  • 野菜には、がんや心疾患のリスクを低下させる効果もある。これは植物の機能性成分であるフィトケミカルの強力な抗酸化力によるもの。各野菜に既知、未知含めて複数のフィトケミカルが存在し、それらの相乗作用で健康効果を発揮する。サプリメントよりも野菜でまとめて有効成分を摂るほうが、安く安心で効率的。

 

魚は肉より体作りで劣るのか?

僕も若い頃はそうでしたが、ほぼ肉食の毎日でした。筋肉作りという点では同じです。それに有益な栄養素も豊富です。見直してみましょう

  • 肉に比べ、魚介類は種類が豊富。ささみ並みの低脂肪・高タンパク質食材も多数あるため、食事の幅がグンと広がる。刺身やレンジ用調理器を利用すれば調理も簡単。
  • 魚に豊富な脂肪酸のDHAとEPAは多くの健康効果をもたらす、近年最も注目される健康成分。健康的な増量実現のためには、脂の乗った魚をメインにするのが賢い選択。
  • DHAは脳機能の維持・改善に効果あり。アルツハイマー病や高齢者の脳機能改善効果だけでなく、近年では若者でも、記憶力と日常のDHA摂取量との間に関係があり、DHA摂取で記憶力が向上したとの報告も。
  • サケの赤色色素であるアスタキサンチン(その他にイクラ、タイの表皮など)は、抗酸化力で有名なカロテンやリコペンよりもさらに強い抗酸化力をもつ、今、大注目の最強の抗酸化物質。

 

食べる量と質に気をつけるだけで本当に良いのか?

本当に量と質も求めているなら、これにリズムを求めてみるのも良いかもしれません。なかなか難しい事なんですが実践してみる価値はあります。

  •  時計遺伝子が刻む概日リズムは、効率的な生命活動を営む為に存在。
  • 概日リズムの調整因子として規則正しい食事のリズムが重要。欠食などの食事リズムの乱れは体内時計を狂わせ、代謝障害の原因に。
  • 日中勤務者に比べてシフトワーカーの肥満率は5倍以上。虚血性心疾患の死亡リスクは2倍以上。
  • 脂肪合成を促進するBMAL1は夜に増える概日リズムをもつ。これが遅い時間の夕食が太る理由の1つ。夕食は20時(遅くとも21時)迄に終えるのがベスト。

 

食事はただ口にすればそれで良いのか?

筋肉作りには食事を楽しむ事も大事と先生は説いています。ストレスが与える栄養への影響、栄養が与える心への影響を理解して望む事が肝要です。

  •  消化吸収は副交感神経優位な状態で活性化。ストレスを感じて交感神経優位になると、消化吸収率が低下。
  • うつ病発症の一因は食事にあり。脳の栄養不足(アミノ酸、ビタミンB群、ビタミンC、鉄、銅などの不足)が神経伝達物質のアンバランスをもたらす。
  • 砂糖の過剰摂取は血糖値の急激な上昇、下降を引き起こし、自律神経系を乱すため心身の不調を招く。ドリンクは砂糖の過剰摂取になりやすい。スポーツドリンクの飲み過ぎにも注意。
  • 野菜や果物の摂取量が、翌日のポジティブな気分と有意に相関するとの報告もあり。体に良い食事は気持ちも前向きにする効果が期待出来る。

 

筋力が強ければ本当に強い男と言えるのか?

遺伝子研究の発達で腸内細菌がもたらす驚くべき機能に注目しましょう。腸力の時代に注目です。腸内細菌を見方にしましょう。

  • 腸内には約1,000種類、100兆個の腸内細菌が存在。重さにすると1〜2kgにも。善玉菌、悪玉菌、日和見菌のバランスで腸内環境が決まる。
  • 腸内細菌は、人が消化できない栄養素からのエネルギー回収や、ビタミン(KとB群)を」合成する。肥満抑制にも関与し、体重のコントロールに大きな影響を及ぼす。
  • 善玉菌の発酵による代謝産物には大腸の活性化、悪玉菌増殖の抑制、ミネラルの吸収・促進」、糖新生の材料など有益な生理作用が様々ある。
  • 腸内細菌とその代謝産物は免疫力を強化。生菌だけでなく、死菌でも十分な効果が期待出来る。
  • 腸内環境を知る一番の情報は、色・匂い・柔らかさなど、日々の便の状態。

 

カロリーがなければ、体への影響は本当にないのか?

現代人は糖類や人工甘味料を良く摂ります。天然でも人工でも必要以上の甘味は避けるべきです。なぜかは下記にまとめられています。

  • ブドウ糖、果糖、砂糖などの糖類は、単純な構造で腸からの吸収が早い。筋トレ後のプロテイン(アミノ酸)との摂取で筋タンパク質合成が促進されるメリットがある一方、習慣的な摂取はインスリンの過剰分泌を繰り返し、肥満、糖尿病、反応性低血糖などの健康的デメリットをもたらす。
  • 糖類を含むドリンクの摂取は、食事の質を低下させる事が報告されている。(タンパク質、食物繊維、ミネラル、ビタミンの摂取量が有意に低下)
  • 糖類の代わりに低カロリーの人口甘味料の使用が劇的に増加。しかし、アメリカでは、人工甘味料使用飲料の消費が増えても、砂糖使用飲料の消費も肥満者の割合も減らずに増加を続けている。
  • ヒトを対象に行われたMRI実験の結果から、人工甘味料では脳の甘味に対する欲求が満たされず、かえって甘みのある食べ物を求めるようになる可能性が推察された。また、ブドウ糖の吸収反応に影響を及ぼす可能性も。
  • 甘味受容体については未解明な点があり、人工的な甘味の人体への影響は不明な部分が未だ多い。

 

筋トレとサプリメントだけで、男らしさのケアは本当に万全か?

筋肥大の為に男性ホルモンは誰でも増やしたいものです。しかし、そのケアは行われているのでしょうか。その答えは。

  • 日本人の中高年男性に前立腺がんの患者数が急増。がん患者数で第4位(2008年)。
  • 男性ホルモンは前立腺がんの進行には関与するが、男性ホルモンの分泌量が多い事と前立腺がんの発生とに直接的な因果関係があるかどうかは不明。
  • ステロイドホルモン(男性ホルモン)の副作用に前立腺がん発症が」あるが、自ら分泌する自然分泌の範囲なら、がんの発生に影響を及ぼす可能性は低いとするのが現段階での一般的な見解。
  • 前立腺がんの予防要因としてはリコペン(トマト)、イソフラボン(大豆)、野菜、果物、ビタミンD、リスク要因としては食事からの過剰なカルシウム、脂質、乳製品の摂取が候補に挙げられる。
  • ヒト及び動物実験の結果から、1週間に3〜4皿のトマト料理と毎日1〜2皿の大豆食品をとる事で、前立腺がんの予防効果が期待出来ると推察。
  • 日勤者に比べてシフトワーカーの前立腺がんリスクは3倍に増加。不規則な生活もがん予防にはNG。

 

脂肪は本当に悪者なのか?

脂肪は敵と見なしている方が多いのは事実ですが、3大栄養素の1つでもあります。脂肪を見方にしてうまくつき合いましょう。

  • 脂質不足は脂溶性ビタミンの吸収率低下、皮膚の乾燥、男性ホルモンの減少、慢性的な便秘、脳出血リスクの増加、減量と増量の非効率化、骨の脆弱化、記憶力の低下をもたらす。
  • 飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、n-3系及びn-6系多価不飽和脂肪酸をバランスよく。摂り過ぎ気味な飽和とn-6は控え、不足しやすいn-3を積極的に摂取。
  • 健康効果の高いn-3は脂ののった魚に。低脂肪の白身魚や干し物は供給源には×。n-3の多い亜麻仁油、えごま油は常備しておきたい油。
  • 高脂質でもナッツは天然の栄養バランス食品。適量摂取で健康効果をゲット。特にクルミが◎。
  • 油は酸化させないように取り扱いに注意(キャップをする、冷暗所で保存、小瓶で購入、調理法での使い分けなど)。
  • 脂質は細胞膜の構成成分で、細胞の質を決定する重要な栄養素。n-3摂取で細胞膜の昨日が向上。

 

トレーニーに痛風は宿命、本当か?

激しい運動は尿酸値を上げてしまいますが、生涯元気にトレーニングを健康で続けるためのアドバイスが書かれています。

  • 高尿酸血症の発症割合は、30才以降の男性で約30%、3人に1人とかなり高確率。
  • 尿酸はプリン体の最終代謝産物。体内で「産生」と「排泄」のバランスが崩れ、高尿酸血症となる。
  • 産生過剰の原因は肥満(内臓脂肪の蓄積)、プリン体の摂取、アルコール、激しい運動など、排泄低下の原因は尿量の低下(水分不足)、アルコール、ストレス、エネルギー不足、野菜不足など。
  • 実はササミはプリン体含量が高いので、偏った摂取は避ける。タンパク質の長期の過剰摂取は腎臓への負担を増し、高尿酸血症による腎障害を促進しやすいので注意。
  • お酒を飲まない人に比べて、1日30g以上のアルコール摂取者の痛風発症リスクは2.5倍以上に増加。
  • 野菜は尿をアルカリ化に。尿酸の溶解性を高め、高尿酸血症で起りやすい尿路結石を予防する。

 

睡眠は足りている、本当か?

健康や体作りには運動・栄養・休養の3点が重要です。忙しい生活の中での睡眠が一番見落としがちです。正しい睡眠をとる方法とは。

  • 睡眠時間は7時間より長くても短くても、死亡率、生活習慣病発生率が増加。また6時間より短いとアルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβが増加。
  • 睡眠時間の短縮は食欲調整ホルモンのバランスを乱し、食欲を増進させ肥満につながる。
  • 睡眠不足や質の低下は成長ホルモンの低下、コルチゾールの増加を招き、筋肉作りを妨げる。
  • 食事は寝る3〜4時間前迄に済ませ、低脂肪のものを良く噛んで。温かい汁物も安眠に効果的。
  • 就寝前はアルコールやカフェイン入りの栄養ドリンク剤を控える。
  • 朝食欠食は体内時計を狂わせ、睡眠リズムを乱す。決まった時間に朝食を摂る習慣を。

 

早食いは本当に男らしい食べ方なのか?

早食いを取り柄と思わない事です。僕も実は早食いです。今の1.5倍は噛んで食べなければなりませんね!そうすれば色々な良い影響がでてきます。実践してみましょう。

  • 早食いが悪習慣と言われるのはよく噛まないことが理由。
  • 良く噛めば口腔内で消化が進み、胃腸への負担が軽減。噛まない食べ方は消化不良を招きやすい。
  • 早食いは満腹感を得る前に食事を終えるので、過食から肥満の原因に。噛む回数を増やと食事量が減少する。
  • 噛まない生活は、唾液の分泌を減らし、口臭の原因にも。
  • 噛む事でストレス緩和作用も期待。緊張時にはガムを噛むのが有効。
  • 噛むと脳が刺激され、前頭前野や海馬が活性化。記憶力や認知症発症にも深く関与する。

 

久しぶりのブログで筋トレに焦点を当てていないのでがっかりされたと思いますが、竹並先生も僕も生涯現役の体作りの基本は食生活と思います。筋肥大も栄養からと思いますので皆さんも参考にして下さい。もっと詳しく知りたい方はトレーニングマガジンのバックナンバーを購入する事をお勧めします。

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    • s.miki
    • 2016年 3月 21日

    失礼します。
    この記事とは関係ないのですがフィッシュオイルがもたらすカラダづくりへの効果とはどのようなものでしょうか?
    ネットにはこれだという答えがあまり載っていないため質問させていただきました。
    お願いします。

    • サミアバヌー
    • 2015年 2月 11日

    ご返信有難うございます。
    ビタミンD3の商品までご紹介いただき有難うございます。
    早速試してみたいと思います。

    12月に参加した田代選手のセミナーの件ですが
    時間的には短かったのですが非常に参考になりました。
    プル・ロー系での上体の使い方、煽り方がよくわかりました。

    • サミアバヌー
    • 2015年 2月 08日

    今回もためになる記事ありがとうございます。
    タンパク質の過剰摂取や野菜不足など耳が痛い話であります。

    ひとつご教示頂けると嬉しいのですが、
    ビタミンD3は筋力アップやバルクアップに
    有用だと言う話を聞いたのですが、マルチビタミン
    以外にも別に摂取したほうが良いのでしょうか?

      • gijoegalliano
      • 2015年 2月 10日

      サミアバヌーさん、お久しぶりです。竹並先生の栄養の面からの記事も面白かったでしょ!
      本論のビタミンD3の話ですが、最近の研究で骨だけでなく、筋肥大にも影響するというのは事実のようです。
      昨年のアメリカのFlex MagazinにもビタミンDの有効性の記事がありました。
      ビタミンDのレベルを高めると遊離テストステロンが増大することが明らかにされており、ビタミンDとテストステロンの関係を確認した初期の研究の一つを裏付けることになりました。
      僕はマルチビタミンの中でしか摂っていません。たった250IUです。学説の依るとテストステロンを約20%高めるのに3,000IU(75μg)余りのビタミンD3を使用しているとの記事もありました。
      全然、足りていませんね(笑い)ただ、ビタミンD3は安いですので別に摂られるのをお勧めします。僕も今、海外でサプリの注文の中に入っています。

      NOW Vitamin D-3
      2000 IU/240 Softgels
      これで1000円しません。これとマルチビタミンと食べ物から摂取すれば3,000IUは摂取出来ると思います。しらす干しやサケ、さんま、うなぎの魚類と豆類(特に枝豆の葉酸と相性が良いそうです。脂溶性なのでしらす干しと枝豆と舞茸の炒め物はどうでしょうか!)
      それと1日15分程の日光浴は必須です。ビタミンD3は体内で作られる分と摂取する分とが一緒に働く事で最大の効果が得られるとの事です。
      僕の様な60才手前の人間は筋量の減少にも歯止めが効くらしいです。偶然にもサヌアバヌーさんと興味を持つのが一緒でしたね。Flexを和訳している途中にコメントをいただきました。改めて記事にしてみます。
      今回もコメントありがとうございました。またまた、励みになりました。感謝します。

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